リスト・オブ・シェイクスピア

2011年11月2日

私の情熱の原点は、大学時代に出会ったシェイクスピア映画です。

これから、私が知る限りの映画化されたシェイクスピア劇を、
1戯曲について1作品、列挙したいと思います。
異論はをお持ちになるかもしれませんが、
私の中のベスト作品と言う事でお許しいただきたい。

少しずつ増やしてゆきますので、
随時更新、と言う形で進めます。

まずはオリヴィエのシェイクスピアトリロジー
「ヘンリィ五世」
「ハムレット」
「リチャード三世」
黒澤明作品から
「蜘蛛巣城」(マクベス)

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蜘蛛巣城(1957 日本)
こんな良い日に、こんな悪い日は見たためしがない 西洋のお話が展開するのは、この上なき和の世界! 反喩が効く印象的な台詞が、美しい日本語に乗る 三船敏郎もぴったりですが、夫人役の山田五十鈴が至極。 さて、オリヴィエの後は、我らが黒澤明による作品。 本作は、言うまでもなく「マクベス」の映画化。 私は、日本が持つ独特の美意識と、シェイクスピアの世界は、とても相性が良い、と感じました。 騎馬で荒野を駆け迷う武士、夫人の立ち振る舞い、森の中で蚕の糸を紡ぐ老人、刺さる矢、などなど、本来スコットランドの大地で展開する物語が、日本という土地で見事に体現され、展開されます。 本作はまさに「見るシェイクスピア」!。美しい日本語台詞と共に、能を取り入れた流麗な動き、陰影で織り成す水墨画のような世界は、白黒の深みもあいまって、何度観ても飽きない。 オリヴィエの「ハムレット」でも申しましたが、白黒の持つ奥深さや寒々しさは、特に古典シェイクスピアの悲劇戯曲にはふさわしく、この映画も、忘れられないようなマクベス世界の暗闇感を残してくれます。だからと言って、もちろん白黒以外は認めないとは申しません。 何度かご覧になった方はお感じになるかもしれませんが、本作で、目立ち方から言っても、本当の主役はマクベス夫人の山田五十鈴さんです。登場時間は三船さんの半分くらいだと思いますが、要所要所が素晴らしく、抑え目でかつ的確、悪人でありながら非常に強い意志を秘め、物語を牽引しています。 この映画に唯一つ難点を申せば、忠義や誠を重んじる日本人の武士が、こうもあっさり己の利益のために悪事に手を染めるかな、とも思いますが、五十鈴さん扮する夫人が、それを正当化してくれてる、と私は思います。
個人的にお気に入りのWWEスター5人
WWEのスターの中から、私の独断で 過去と現在問わず5人ほどをおすすめします。 CMPunk、ChrisJericho、the Undertaker、RandySavage、Maryse。 本当はHitmanとかも作りたかったですけど・・ またそのうちに! これから色々なジャンルが増えてゆきますので、 タグで、「WWEスター」や「韓国俳優」などで、区分けしてご覧頂きたいと思います。
ハムレット(1948 英)
最初の1時間はあっという間です。この上 なく美しい台詞の響き。あえて白黒で作り 上げたオリヴィエのこだわり。色彩がない分、 観る側の想像力を無限に掻き立てる。 最初の1時間、つまり亡き父親の亡霊にハムレットが出会うところまで、何時の間にか時間が経ってしまう、というのが私の経験です。 シェイクスピア劇が好きな方必見。 台詞の響きが非常に美しいので、英語の魅力を再発見する事でしょう。 英国人にとってシェイクスピアとは観るものと言うよりは聴くものであったというのもうなづける。私が心から英語を好きになったのも、シェイクスピア映画があったからに他ならない。 20世紀の代表的(私個人的には最高の!)英俳優オリヴィエ、何度も舞台で上演した計算された演技。この作品で、イギリス人にも関わらず、アメリカのアカデミー賞を獲得。彼は米国演劇人からのリスペクトも非常に高かった。 私が言うのも僭越ですが、この題材を、当時テクニカラー技術があったにも関わらず、あえて白黒で作り上げたオリヴィエの判断は、正解だったと思います。亡き父の亡霊の場面の寒々しさ、宮殿内の寂しげな雰囲気、絶壁や暗闇でのハムレットの独白など、とてもマッチしていて、色彩がない分、観る側の想像力を無限に掻き立てる。格調高き彫刻のよう。
データが復旧いたしました!
全体の骨組みと、一部分のみですが記事が復旧いたしました。 ご心配おかけいたしましたこと、お詫び申し上げます。 復旧をご指南くださった森政彦先生、ご協力くださったすべての皆様に、心から感謝いたします。 過去の記事は、これから少しずつ戻してゆきたいと思います。
リチャード三世(1955 英)
生来の歪んだ体に、引きずって歩く足。 だが知略に富み、機を見るに敏な男。 城内から終盤の戦場まで、各所の空間を 広く上手に使う撮り方が、舞台人らしい。 これだけ恵まれないと笑うしかないな、と言っている本人も実は他者の痛みなどまるで感じてない、という逆説的な物語。 冒頭、リチャードが冠を召使に預け、召使が落っことすところ。場面の変わり目でさりげないのですが、いきなり笑ってしまいました。 シェイクスピア劇って台詞の量が多く、一歩間違うと会話ばかりになり、観る側を飽きさせてしまいます。オリヴィエもそこはよ~く知っていて、映画用に台詞を、可能な限り削り、あるいは順序を入替え、空間や表情、そして心地よい沈黙とも言うべき間をうま~く織り込んでいる。 「敵役であり主人公でもあり道化でもある恵まれた役」、とはオリヴィエ自身のリチャード評。 終盤には、屋外ロケへ。それまでの城内中心の密室劇から、実に広広とした空間に移る、こういったところに垣間見られる、空間の広がりの上手な使い方、舞台人の彼っぽい特色です。 ボズワースの戦い。葬られた者達の亡霊、有名な「Despair and die」の場面、そしてヘンリィⅤを思い出させる野戦シーンへ、やはり躍動感があります。遠近感の使い方が巧い、奥行きを感じさせる。 「ヘンリィ」では英雄だったオリヴィエは本作では、まさに正反対のリチャード。同じ暴君でもマクベスと違うところは、罪の意識がなく、笑いを誘うほど滑稽で、ひたすら三枚目なところ。知略に富み、機を見るに敏、マクベス夫人的伴侶もいない、人から愛されない。芯まで悪。散り際も悪党らしく因果応報、実に清々しいほどの格好悪さ(笑)。なるほど、一流の俳優が皆、演じたがるわけです!愛すべき異形の悪党、ここに極まれり。

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